スタジオのベースライトにスマートスイッチを設置

今回のDIYの目的は、ベースライトの個別制御

Iot化進めさせていただきます!
ベースライトとは(この撮影スタジオではLED化されているけど)昔でいう、直管の蛍光灯照明のことですね。
これが、これまでは、スタジオ内で個別制御できなかった。全部一斉に点けるか消すかしかできませんでした。

それで、今回のDIYではスマートスイッチを導入、携帯で一つづつのライトを、個別にスイッチング、ONOFF制御ができるようにしました。
今回の、ノウハウの肝、日本語では情報はさがせなかったのでこちらもサブタイトルにしておきます。
「インターネット回線なしLANのみでの、SONOFF制御」そこだけ知りたい方はこちら

スマートスイッチというのは、インターネットの技術というか、TCP/IP経由で家電のスイッチを制御するものね。「アレクサ電気点けて」とか宣伝してるあれのことね。
SONOFF basic は中華製のスマートスイッチ。

スタジオ施工時の検討

施工前には、ライトの事をいろいろ考えて、調光のことも検討した。
でもスタジオは明るさが勝負のような気もして、却下。
調光とは、ボリューム型で、明るさを調整するものね。
いずれにしても、これは施工前ならともかく、今からでは、ちょっと無理そう。

そのほかにも、ライトレールとか、ダクトレールにする提案もあったけど、とりあえず明るければいいという考えのもと、今の物を入れてしまった。

それに、この建物は、配線をコンクリート内部に埋め込まれた状態になっているので、複雑な工事する事が無理だった。
勿論、天井コンクリートを剥がせば工事はできるが、ちょっと大がかかり過ぎ。
施工料金のことも考えて、これもちょっと無理と考えた。

スタジオライトというと、フリッカー対策されたものとか、吊りものとか、いろいろ考えられるが、値段のこともあり、安いベースライトをとりあえず入れてみることになった。

お客様、カメラマンからの要望

ところが、運用を始めると色々要望が上がってきた。

流石に、この箱の大きさで、吊りもののがっつりした、ライティングを望む人はいませんでしたが。

1.梁の下に落としたベースライトが画角に入り邪魔。
2.梁の影が出るのでその部分のライトを制御したい。
3.全部点ける、消すではなく、1か所だけ点けたい、1か所だけ消したい。
などなど・・・

順次、DIY開始!

下げた、ベースライトを、天井の高い所に張り付ける

天井の高い所から梁の下まで、ベースライトを落としたのは、梁の影を消すために施工したんですが、これが仇(あだ)になったわけです。

全部のベースライトを下げた訳ではなく、影ができそうな2か所を寸切りボルトというもので、60㎝程下げてもらったんですが、実は、これだけでは完全に影が消えなかった。
ひどい事に、別のベースライト~の光で、下げたライト自体の影が別のことろにできる羽目に。
影の強さは和らいだので、とりあえずこれで運用開始したんですが、今度は下げたベースライトが画角に入りやすくなってしまい、まずいことに。

ベースライトを下げるには、天井にボルト穴を施工する必要があるわけですが、上にあげるというか張り付けるのは、すでにボルト穴があるので、寸切りポルトを短いものに変えれば済むので、施工費用は数百円で済みました。

梁の影を消したい

実は、ベースライトをつけた時点で、梁の影をすべて消し去ることはできないんです。

梁のない建物、あるいは梁の高さを考慮しても、天井高をある程度確保できる物件がスタジオに向いているわけで、以前、別の商売をしていたようなこの物件では、ちょっと無理なんですね。

でも、「ベースライトをつけた」と書いたのは、着けたではなく、点けたとも取れる訳で、点灯しなければ影はできないわけです。
つまり、撮影用のライトを立ててそれだけで光量を確保できれば何の問題もない訳です。

スタジオ内の光もの機材だけを使うと、スチールなら、モノブロックだけでもなんとかなりそうです。でも、動画ではちょっと光不足。
まあ、大容量のLEDライト買え、でかいソフトボックスや、傘を買え、って言われればそれまでなんですが、値段もあって、ベースライトでうまくミックス光を使いたい面もあるわけです。

そうなると、梁の近くの、ベースライトを消して強い影は消す。
遠くのベースライトを点けることで、やんわりとしたライトが当たる。
ということを考えた訳です。

スポットライトのように1か所だけのベースライトを使いたいという要望

このお客様が変則的なのかもしれませんが、1か所だけライトを点けられないの?
という質問をされたことがあります。
お客様の実際の撮影を見ていると、人物の後ろからのライトをベースライトを使いたいという要望だったようです。
今後もそういう要望があるかどうかは不明ですが、要望に応えられるなら応えたい。

スマートスイッチという回答

自分の家ではアレクサとか、スマートスピーカーとか、別に魅力も必要性も感じていませんが、あれこれ考えた結果、最後に出した答えは、スマートスイッチ。

最初は、私が子供のころからなじみのある、蛍光灯に付いていたひもを検討しました。
ひもを引っ張ればONOFF制御できるあれです。
すべてのベースライトに着けることを考えたんですが、当然ひもが撮影の邪魔ですよね。

それで、こたつの中間スイッチのようなものを各ライトに着けるという考えが浮かびました。
でも、脚立に毎回上り下りも面倒です。

それで、シーリングライトのリモコン的なものを付けるという考えに至りましたが、それはそれで施工も値段も大変。

私も相当ぼけているんですが、ネット屋というかソフト屋を何年もやってきたのに、スマートスイッチが浮かぶまでに1,2日。

高いのかなーと思って調べてみたら、500円程度で買える中華製スイッチもある。

で、導入となったわけです。

それでネットでポチると、届いたのがこれ。
すごいですANA(実際はOCSという会社の)航空便。中国からでも、意外と早い。1週間ぐらいだったと思います。

で、開封してまたびっくり。こんな留め方するか!分かりにくいと思いますが、真ん中の部分をセロテープのようなものでぐるっと巻いてあるだけ、まあ固定されていればいいという考えですね。

値段もあれなので、2個予備も頼んでおいた。

LANのみで運用できるSonoff

告白すると、実は今、スタジオにはネット回線がありません。
電話回線を、引いても常駐していませんので、スタジオアトラには電話もありません。
03-6868-5453
の電話はすべて私の携帯に転送されるようになっています。
その辺の話も別のブログに書きますね。

さて、Sonoff をお使いの方は、この製品の前提としてLAN環境が、WANインターネットに繋がること、と思っているはず。
説明書にもそう書いてあります。
アプリを入れるとさらに確信できます。

でも、ネットに詳しい方ならわかると思いますが、技術的にはこの製品はLAN環境だけで、動くに決まっています。
説明は面倒なので省略。

で、ルーターだけでLAN環境を構築し、Wifi、DHCP設定。
eWeLinkのアプリを携帯回線からダウンロード。(携帯は古いiphon5を使いました)


Sonoffスイッチの電源を入れて、アプリに Sonoffスイッチの登録をしてみたんですが。(以下スイッチはSonoffスイッチベーシックのこと)

できません。

ルーターの状態をモニターすると、スイッチは探せているようですし、携帯アプリでも、スイッチは探せているようで、1000ab‥を登録中のメッセージは出ます。
でもその後、 eWeLinkのサーバーに接続したがっているようで、登録エラーになります。

そこで、ルーターと、スイッチを自宅に持って帰り、ルーターをWAN(インターネット)に接続、スイッチをアプリに登録。(この辺はマニュアルの通りに)

それから、 eWeLink各スイッチの設定画面にて、LAN運用の設定がありますのでこれをONにしておきます。

これだけで多分問題ないと思いますが一応下記の設定もしておきました。
スイッチのファームバージョンを最新にしました。この時のVer3.3.0。
Notification for op..をON(複数の携帯を使う可能性がありそうなのでONにしました)
それからルーターの設定で、この後、LAN環境のみで運用するときに、DHCPでIPアドレスが変わると、スイッチの順番が変わったり、何かとややこしいことが起きると嫌なので、固定IPを割り当てることにしました。
固定IPといっても192.168で始まるLANの固定IPね。

それで、一旦、自宅環境のまま、ルーターのWAN (インターネット) を切り、機器類を再起動。スイッチがLANのみでも動くことを確認。

スタジオで動かすのが楽しみになってきました。

まとめると
●SonoffのeWeLinkアプリへの設定では初期登録時にインターネット回線が必要でeWeLinkサーバーに接続する必要がある。
●運用時はLAN環境のみでも動作する。

ということで。

スタジオのベースライトに設置した結果

翌日、スタジオ内で設置してみると、トラブルはいろいろ発生、配線があれで少し漏電してブレーカーを落としたり、スイッチの1つだけがなぜか動作しなかったり、天井施工の際に、1か所だけ別の施工がされていたりしましたが、なんとか設置に成功。
実際はもう1日かけて調整して成功。

例えばこんな感じで、1つだけライトを点けて雰囲気を作ったらこんな写真になります。先に書いた、スポットライト風がこんなイメージだと思います。

ライト1つだけを点けた
ライト1つだけを点けたらこんな感じ

それから壁にできる影の検証で梁の近くのライトを点けたり消したりしてさつえいしたものがこれ、左が梁の近くのライトを点けたもの、

影の比較
影の比較

右側の写真は、かなり、影が消えている。
梁近くのライトを消しているので、暗さの面では影がない方が暗い。
私の携帯カメラが勝手にISO感度を上げてくれるので明るさ暗さがいまいちわからない感じになっています。
いずれにしても、こちら側の壁の影を消して撮影しやすくなったとは思います。

個人的には大満足ですが、お客様の反応はどうか・・・これから検証してみたいと思います。

操作の動画はこちら

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